【医師監修】ニキビ跡治療の原因を徹底解説
ニキビ跡治療は、今でこそレーザーを用いた施術が一般的になってきていますが、以前は改善が難しいものとされてきました。また、ニキビ跡の原因は皮膚の深い場所にあり、人によって症状やタイプも違うため、適確な判断ができる経験と技術が必要となります。
ここでは、論文発表や新しい治療機器を積極的に取り入れ、ニキビ跡治療についての研究を続けている筒井 裕介医師(セオリークリニック)に、監修・解説してもらいながら、ニキビ跡の原因や治療法を紹介しています。
監修筒井 裕介 医師(セオリークリニック院長)
2003年3月に順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学の形成外科助手を経てオザキクリニックの診療に従事。その当時、今までの治療では難しいとされてきたニキビ跡が、フラクショナルレーザーにより改善できることを知り、多くの悩める人の手助けのため美容医療の道を進む決意をしたとのこと。
論文や学会発表も行なっており、2008年にはフラクショナルレーザーを用いたざ瘡後瘢痕(ニキビ跡)の治療の論文を発表。 ニキビ跡で悩む一人ひとりの患者さんの手助けになりたいと、新しいレーザー機器の導入や治療法の研究も積極的に行い、オーダーメイドの治療を提供しています。
ニキビ跡ができる原因とは?
ニキビ跡ができる仕組みに沿って解説していきます。
01:ニキビが生まれる
ニキビは、毛穴の中の皮脂腺から出てくる皮脂が毛穴の中に留まってしまうことで、アクネ菌に感染し、炎症してしまいます。
02:瘢痕(はんこん)組織ができる
当然、アクネ菌が出てくると、その菌を排除するために、体の免疫細胞が戦います。結果、細胞の死骸(膿み)が生まれます。
同時にその過程で、異常なコラーゲンが大量に作られ、大量発生したコラーゲンは、瘢痕組織として残り、ニキビ跡を作り出してしまいます。
03:瘢痕組織が広がる
瘢痕組織は、炎症の程度によって形が変わります。毛穴の形を保ったまま瘢痕が広がる場合と、毛穴の形が失われて大きなニキビ跡になってしまう場合があるのです。
ニキビ跡にはいくつかのタイプがある?
ニキビ跡治療をきれいに治すためには、一人ひとりに適した治療を行う必要があります。そのため、まずはニキビ跡がどのようなタイプなのか把握することが重要です。
毛穴拡大タイプ
毛穴拡大タイプは、毛穴周囲に瘢痕化が生じて、毛穴の収縮能がうまく機能しなくなることで、拡張したままになってしまうタイプです。
広く浅いタイプ
クレーターの中でも、広く浅いタイプのニキビ跡が、皮膚の薄い女性に生じやすいニキビ跡。真皮中間層が主な瘢痕化の部位となります。
深く広いタイプ
クレーターの中でも深く広いタイプ。周囲の正常皮膚との境目がしっかりできてしまい、光の乱反射により更に目立ってしまうニキビ跡です。皮膚に厚みのある男性に生じやすいのが特徴。
アイスピックタイプ
アイスピックタイプは、深部の脂肪層まで貫く様に凹んでしまうように見えるニキビ跡です。
脂肪萎縮タイプ
ニキビの炎症が皮下組織の脂肪層にまで及ぶことでできるニキビ跡です。脂肪層への炎症が及ぶと線維化を起こし収縮してしまい、大きくへこんだニキビ跡になってしまいます。
ニキビ跡治療に効果的な治療法は?
ニキビ跡治療で主に使用されているのがレーザー治療です。大体多くのニキビ跡タイプがレーザー治療で改善されます。それ以外で注目されている治療法が、サブシジョンです。深く広いタイプのニキビ、クレータータイプのニキビに有効となる治療法です。レーザーが届きにくいニキビ跡に対して、特殊なハリで、水平に変性を起こさせる新しい治療法です。
また、この治療法は、脂肪萎縮タイプの炎症が皮内に留まらずに皮下組織まで及んだために起きるニキビ跡にも効果があります。
通常のレーザーの場合
皮膚に対して垂直方向に再生を促します。
サブシジョンの場合
皮膚に対して水平方向に再生を促します。
筒井先生の解説:レーザー治療は細く深く、ダメージを分散することが重要
ニキビ跡治療は、フラクショナル理論というものに基づいたものが基本です。フラクショナル理論とは、レーザーや針などを使用して皮膚にダメージを与える治療のこと。人間の皮膚は小さな傷であればきれいに治す力があります。その仕組みを利用しているのが、フラクショナルレーザーです。
皮膚の中にある瘢痕に小さなダメージを分散して与え、皮膚が再生する過程で正常な皮膚の再生を促します。これによって、瘢痕組織が正常なコラーゲンに入れ替わり、ニキビ跡のない肌に導いていきます。
効果が出るためのポイントはダメージの細さと深さ。細いからこそ正常の組織の再生が可能となります。また、ダメージが十分な深さまで届かないと、いくらダメージを与えても効果が発揮されません。そのため、細く深く届かせることが、十分な効果を発揮させるために重要といえます。
常に新しいニキビ跡治療の研究をし続けるドクター
順天堂大学医学部卒業後、ニキビ跡治療や目の下のクマ治療を中心に、美容皮膚科、美容外科治療の分野で活躍。 ニキビ跡に対して特に有効とされているレーザー治療を得意とし、院長を務めるセオリークリニックでは、10台ものレーザー機器を症状や状態に応じて使い分け、患者さん一人ひとりにオーダーメイドの治療を提供しています。
資格
- 日本形成外科学会
- 日本美容外科学会(JSAS) 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
- 日本臨床抗老化医学会 会員
- 日本再生医療学会 会員
経歴
- 2003年:順天堂大学医学部卒業
- 2003~2009年:順天堂大学の形成外科助手を経てオザキクリニック勤務
- 2009年:セオリークリニック開院・院長に就任
ニキビ跡治療への思い
以下の動画では、筒井先生がニキビ跡治療について語っています。ぜひご覧ください。
ニキビ跡の治療は年々進化しています。10年前には全く変化させることのできなかったニキビ跡にも効果を出すことができるようになってきました。そして、私にとってもニキビ跡治療は美容医療に入るきっかけをくれた治療でした。フラクショナルレーザーで驚くほどニキビ跡が良くなった症例に出会い、その効果に驚きもっとレーザーについて学びたいと思い美容医療の道に進みました。今現在も様々なレーザー機器を使い治療を続けていますが、まだまだもっと良い治療ができると信じ診療にあたっています。
これまでニキビ跡があることでお肌に自信が持てないという方を多く診てきましたが、ニキビ跡が良くなることで肌だけでなく気持ちも明るくなっていくのが分かります。ニキビ跡に悩んでいる方々へ、笑顔を取り戻すお手伝いをさせていただけたらと思います。
診療時間(休診日) | 11:00~19:00(日曜) |
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所在地 | 東京都中央区銀座3-7-2 オーク銀座ビル6F |
アクセス | 東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」A13番出口より徒歩2分 東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」9番出口より徒歩3分 都営浅草線「東銀座駅」A8番出口より徒歩5分 |
公式サイト | https://theory-clinic.com/ |
電話番号 | 03-6228-6617 |
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筒井先生の解説:ニキビ跡は体質によってなりやすさが変わります
ニキビ跡になってしまう人には体質的な特徴があります。その特徴は、ニキビが炎症を起こしやすく、大きな赤ニキビが形成されやすいことです。また、皮膚のコラーゲン産生能力が高く、皮膚に厚みがあると、ケロイド化(コラーゲンが過剰に増殖することで赤く盛り上がった見た目となること)しやすいです。その逆で、皮膚が薄い人は、ニキビ跡になりにくいといえます。
皮膚がどちらかというと厚みのあるタイプの人のほうが、ニキビ跡が大きくなり、残りやすいといえます。