シミ・そばかす
美肌の敵!シミとは
シミとは、皮膚にメラニンが蓄積されることによって生じる、茶褐色や淡褐色の色素斑のことです。主に紫外線が原因とされ、日光が当たりやすい頬や手の甲などに、直径数ミリから数センチの大きさで生じます。老若男女を問わずできる「雀斑(そばかす)」や、女性の頬に左右対称に生じる「肝斑(かんぱん)」などの種類がありますが、一般的に「シミ」という場合、「老人性色素斑」のことを指します。30代後半以降の女性に多いのが特徴です。
シミの原因
シミの主な原因は紫外線です。紫外線には肌の細胞を壊す働きがあるのですが、この働きを阻害するために、肌の内部ではメラニンと呼ばれる黒い物質が生成されます。メラニンによって肌を黒くすることで、紫外線の有害な働きから肌を守るのです。これが、いわゆる「日焼け」という現象です。生成されたメラニンは、肌のターンオーバーのサイクルに合わせて、徐々に消えていくのが一般的。ところが紫外線を浴びすぎてメラニンが過剰に生成されてしまった場合、一部が肌に残ってしまうことがあります。この残ったメラニンが、シミの正体です。ほかにも、活性酸素や炎症(湿疹やニキビ)の影響によるメラニンの過剰生成も、シミの要因として指摘されています。
シミの種類
シミの多くは「老人性色素斑」ですが、これ以外にも様々な種類が存在します。シミを治療する際は、自分のシミがどの種類かしっかり見極めることが大切です。
ここでは、それぞれのシミの種類別の特徴や、セルフチェック項目について紹介していきます。
老人性色素斑
最も一般的なシミです。「日光性色素斑」や「日光性黒子」とも呼ばれます。直径数ミリから数センチと幅広く、形も様々。30代後半以降に増え始めます。主な原因は紫外線で、日光があたりやすい頬の他、肩や腕、手の甲などに見られます。
進行すると…
シミの部分はメラニンが正常に排出されていない状態にあるため、紫外線がたまっていき、徐々に濃く、大きくなっていきます。さらに、一部が盛り上がり、脂漏性角化症に変化することもあります。自然に消えることはありません。
【CHECK】
- 褐色
- 形や大きさはバラバラ
- 左右非対称
- 紫外線を浴びることが多い
- 過去に紫外線を浴びることが多かった
肝斑
主に、30代~40代の女性に多く見られる薄茶色のシミを、肝斑といいます。生じる部位は主に頬で、左右対称にのっぺりと現れます。目のまわりを縁取るように生じるのが特徴です。他のシミとは治療法が異なるので注意しましょう。
進行すると…
紫外線の他、ストレスがたまったり、ホルモンバランスが崩れたりすることで悪化することもあります。放置してシミなどが併発した場合は治療が難しくなるので、早めにクリニックを受診するのがおすすめです。
【CHECK】
- 30代以降にできた
- 妊娠中にできた
- 左右対称
- 色が薄い
- 広範囲に色がついている
- 経口避妊薬を飲んでいる
雀斑(そばかす)
鼻の上や頬の上部に、小さく散らばるようにしてできる茶色い斑点を、そばかすといいます。春から夏にかけて色が濃くなるのが特徴です。大きく分けて、3歳頃から生じる先天的なものと、外部からの刺激で生じる後天的なものがあります。
進行すると…
思春期までに生じたそばかすは徐々に薄くなっていきますが、大人になってからできたそばかすは自然には消えません。他のシミと同様に、紫外線を浴びるとさらに濃くなることもあります。
【CHECK】
- 直径3mm程度
- 左右対称
- 肌が白い
- 子どものころからある
- 家族にもある
- 顔全体に散らばっている
炎症後色素沈着
ニキビや虫刺されといった肌の炎症が治ったあとに生じるシミです。摩擦によって生じることもあります。皮膚がダメージを受けた結果、色素沈着が起こり、褐色や黒褐色のシミが残ります。年齢や性別は関係なく、誰にでも起こりうるシミです。
進行すると…
ケガや摩擦などによる一時的な炎症後色素沈着であれば、時間が経つにつれて徐々に消えていきます。しかし何年にもわたってとどまり続けるケースも少なくありません。紫外線を浴びるとさらに濃くなるため、注意が必要です。
【CHECK】
- 左右非対称
- ニキビや湿疹のあとにできた
- 虫刺されや火傷のあとにできた
- 顔をこすりがち
- 形や大きさはバラバラ
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
「真皮層」と呼ばれる皮膚の深部に生じるシミです。30代以上の女性に多く見られます。色は褐色をはじめ、やや青みがかったものや灰色のものが中心。頬や目の周囲に左右対称に生じるため、肝斑と間違えられることもあります。
進行すると…
ADMが生じるのは皮膚の深部になるため、ターンオーバーによって薄くなるには5~8年もの長い期間が必要です。この間にメラニンの蓄積により濃さが増し、肝斑などが併発すると治療が難しくなるため、早めの治療が理想です。
【CHECK】
- 直径3mm程度
- 左右対称
- 頬などに集中的に生じている、または鼻翼部にできている
- やや青みを帯びている
- 痣のような見た目
脂漏性角化症
別名「老人性いぼ」とも呼ばれ、高齢者の多くに見られる良性の皮膚腫瘍です。男女を問わず、30代ほどから現れはじめます。体のあらゆる部位に生じますが、紫外線を浴びやすい顔に多くなっています。摩擦によって生じることもあります。
進行すると…
徐々に硬さが増していき、膨らみも大きくなっていきます。腫瘍化し癌になることは基本的にありませんが、脂漏性角化症が短期間に急増したり、かゆみを感じたりする場合は、悪性の内臓腫瘍が生じている可能性があります。
【CHECK】
- 濃い褐色
- 左右非対称
- 直径3mm~1cm程度
- やや隆起している
- 触ると硬い
- 表面がザラザラしている
シミを治療するなら美容皮膚科がおすすめ
シミやそばかすに効くとされる市販薬や化粧品をよく見かけます。どの商品も一定のシミ消し効果は期待できると思いますが、どんな人のどんなシミにも効き目があるというわけではないようです。美容皮膚科での治療との違いを明確にしておきましょう。
市販薬で効果がでにくいのはなぜ?
シミには様々な種類があります。老人性色素斑、そばかす、肝斑、色素沈着などです。これらのシミの原因はそれぞれ異なるため、市販薬を買う際には、シミの種類に合った薬を選ばなければなりません。しかしながら、素人が自分のシミの種類や原因を特定することは極めて困難。合わない薬を買ってしまったがために効果を実感できない、という人も多いようです。一方、美容皮膚科では、まずシミの種類が何なのかを医師が特定します。そのうえで、そのシミにふさわしい治療法や薬を提供してくれるので、ムダがなく確実に効果があがります。シミが気になる方は、一刻も早く除去したいとお考えでしょう。市販薬では回り道になってしまう可能性もあるので、皮膚科や美容皮膚科で診療してもらうことをおすすめします。
結局皮膚科の方が安い?市販の化粧品と比較
シミ消し用の化粧品の中には、数百円程度で購入できるものもあります。中にはそれでもシミが薄くなる人がいるかも知れませんが、多くの人に効果が出るかどうかは、はなはだ疑問です。化粧品でシミを消すならば、2万円や3万円などの、ある程度高価で信頼のできる商品を選ぶべきでしょう。ただし、どれほど高価な化粧品だったとしても、それが自分のシミの種類に合っているかどうかは別問題。「ちょっと試しに購入してみる」には、2万円、3万円は大きすぎる金額ではないでしょうか?市販の化粧品でシミを消す場合、美容皮膚科で治療してもらうのと同じくらいの費用、またはそれよりも高い費用がかかる可能性があります。結局、費用も効果も美容皮膚科のほうがお得だった、ということにもなりかねません。
シミ・そばかすの治療方法
フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは、IPLという特殊な光を肌に照射させる治療です。メラニン色素や毛細血管にダメージを与えて、総合的に肌悩みの改善が期待できます。
効果を出したい目的に合わせて、使用するフィルターや波長を使い分けるため、オーダーメイドの治療が可能。また、照射強度が弱いことも特徴で肌への負担が少なく、顔全体にアプローチできます。
こんな方におすすめ
- 顔全体の肌トラブルを総合的に治療したい方
- 肌ダメージが少ない治療を受けたい方
- 傷跡やダウンタイムを抑えたい方
副作用や注意点
フォトフェイシャルは、過度な日焼けや炎症などのトラブルがある肌は施術が受けられないため注意が必要です。また、一度の施術では大きな効果を実感しにくいことから、複数回の施術を受けるため、通院や費用の負担がかかるでしょう。
ピコレーザー
ピコレーザーは、ナノ秒よりも短い「ピコ秒」という照射時間で、肌にレーザーをあてる治療です。レーザーの種類は、ピコトーニングやピコフラクショナル、ピコスポットの3つ。肌悩みや目的に合わせて照射モードを調整して使用できることが特徴です。
熱ダメージが少なく、痛みを抑えた治療が可能です。また、コラーゲン生成を促し、肌のトーンアップに効果が期待できます。
こんな方におすすめ
- 肌に負担のかかりにくいレーザー治療を受けたい方
- 痛みやダウンタイムを抑えた治療が良い方
- 少ない施術回数で効果を感じたい方
副作用や注意点
ピコレーザーの施術後は、日焼けしやすい肌や新陳代謝が乱れている肌は、色素沈着が起きやすくなります。そのため、紫外線対策や保湿を行うことが大切です。
また、他のレーザー治療と比べて費用が高い傾向にあるため注意しましょう。
Qスイッチルビーレーザー
Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素を吸収する出力の高いレーザー光を利用した治療機器。肝斑やシミ、そばかすといった色素疾患を治療する方法です。
肌に熱損傷を与えることなく、メラニン色素だけをピンポイントに破壊できるレーザーを用いていることが特徴です。除去された部分は、新しい皮膚が再生するため、シミやそばかすのない肌に生まれ変わります。
こんな方におすすめ
- ピンポイントに肝斑を除去したい方
- 肌にダメージを与えずに治療を受けたい方
- 個々に合った治療ができる方法を探している方
副作用や注意点
Qスイッチルビーレーザーの施術後は、照射部位をテープで保護することが必要です。また、かさぶたが出来たり、2週間ほどのダウンタイムが生じたりする場合もあります。
そのため、個々によって、仕事や日常生活に多少の影響を与える可能性があるでしょう。
レーザートーニング
レーザートーニングは、微弱でマイルドなパワーのレーザー光を照射する機器です。肝斑のもとになる、メラニン色素を破壊する治療。波長が長いレーザー光を使用するため、肌の奥深くにしっかりと届けられます。
その結果、コラーゲンが再生し、内部からトーンアップ効果が期待できるでしょう。照射を繰り返し施術を受けることで、徐々にメラニンが減少していきます。
こんな方におすすめ
- 繰り返し施術を受けられる方
- 肌ダメージを抑えたい方
- 肌全体のトーンアップを目指したい方
副作用や注意点
レーザートーニングは、赤みやヒリヒリ感、熱感などのダウンタイムを生じることがありますが徐々に落ち着いていきます。他にも、かさぶたが出来て痒みを伴う場合がありますが、強く擦ったり無理に剥がしたりせずに、自然な剥がれを待ちましょう。
メソフェイシャル
メソフェイシャルは、特殊な電気パルスを利用した治療です。皮膚の細胞膜に一時的に穴をあけて、成長因子や有効成分の含まれた薬剤を導入させます。肌ダメージや痛みを抑えた治療のため、定期的に施術を受けても、肌の負担がかかりにくいでしょう。
また、肌の悩みに合わせた成分を追加できること、肌老化の根本から細胞レベルで反応することから、施術直後から効果を感じやすい治療です。
こんな方におすすめ
- ダメージや痛みの少ない治療を受けたい方
- 1回の施術で効果を感じたい方
- 初めて美容医療を受ける方
副作用や注意点
メソフェイシャルの施術中は、電気の刺激によってピリピリ感がみられる場合がありますが、強い痛みを感じないことが特徴です。また、まれに赤みを生じることもありますが自然におさまり、それ以外のダウンタイムがほとんど現れない治療になります。
マッサージピール
マッサージピールは、イタリア製の「PRX-T33」という特別な薬剤を使ったケミカルピーリング。マッサージをしながら薬剤を肌に馴染ませ、しっかりと洗い流す施術です。
刺激によって肌の治癒力が作用し、コラーゲンの生成が促されることが特徴。皮膚の剥脱を引き起こさない治療のため、肌を傷つけずに施術が受けられるので施術後にメイクをすることも可能になります。
こんな方におすすめ
- お肌を傷つけないピーリングを受けたい方
- 施術直後から効果を実感したい方
- 痛みやダウンタイムを抑えたい方
副作用や注意点
マッサージピール施術中は、火照りやピリピリ感、施術後に赤みが起こる場合があります。ただ自然におさまるため、肌を刺激しないことが大切。
また、皮膚炎のある肌や敏感肌には、施術が受けられないケースもあるため注意が必要です。
フォトシルクプラス
フォトシルクプラスは、複数の異なる波長と照射時間を用いた光治療。シミやそばかすの元である、メラニン粒子を分解させる働きがあります。その結果、さまざまな肌悩みを広範囲に改善。
肌へのダメージが抑えられ、火傷などのリスクが少ないことも特徴です。また、施術後すぐにメイクをすることも可能で、日常生活に影響を与えないというメリットがあります。
こんな方におすすめ
- 肌の悩みを総合的に治療したい方
- 肌にダメージの少ない治療を受けたい方
- 日常生活に影響が出ない治療を受けたい方
副作用や注意点
フォトシルクプラスは、施術してから約2〜3日後にかさぶたが生じやすいことが特徴。自然に剥がれ落ちるため無理に剥がさないことが大切です。
また、1回の施術よりも繰り返すことで効果を発揮するため、通院や費用の負担がかかる可能性があるでしょう。
関連ページ
詳しく知る!